従来、在来木造住宅の骨組みとなる、土台・柱・梁等の部材は、大工職人が鋸やノミを使って作業場で加工してから建築現場で建てるという方法で施工してきました。
プレカットとは、これらの部材を予め工場でカットし、様々な形状の仕口を高精度に加工する技術のことです。CADにお客さまの住宅の間取りや材料の寸法を入力し、自動生成により必要な加工材長・加工形状を決め、高精度・高性能のCAMで全体自動加工を行います。
建築現場では、工場の図面を見ながら建て方ができ、昨今の職人不足の解消、品質の安定化、工期の短縮等、様々なメリットが生まれます。
部材生産を工場で行うことの最大のメリットは、徹底した品質管理ができること、特にプレカットの場合、原材料の設定や防腐、防蟻処理などの品質管理は「JAS」の厳しい品質基準。住宅の強度にかかわる接合部分の加工は、高い精度が求められる「AQ(Approved Quality)」の基準を採用しています。
プレカットのメリット
○高精度な、家づくり コンピュータ制御で高い加工精度の高品質な家づくりが可能
(CAD入力で設計し、コンピューター制御で機械加工をおこなうので、
品質にバラツキがなく、正確な木材加工製品ができます。)
○工期短縮
プレカットにより、工程が短縮され、コストを抑え「ムダ」を削減
(大工さんが20日間くらい行う加工作業を、半日で終わらせる事が出来ます。)
○環境にやさしい
建築現場での「ゴミ」の削減
(工場生産により現場でのカット作業が減るため、騒音やゴミが減少します。)
プレカットの種類
在来工法
金物工法
パネル
在来工法 | 伝統的な継ぎ手・仕口による軸組み工法を最新のCAMにより再現した工法で、接合部分は補強金具にて、結合します。 |
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金物工法 | 在来工法の継ぎ手・仕口を「スリット(ミゾ)」及び「ピン」に置き換え、金物にて「接合」する工法。 |
パネル工法 | 在来工法及び金物工法に「パネル」(面材)を組合わせることにより建物全体を「点」による構造から「面」による構造体にし、構造の強化を計った工法。 |
工法別の比較
在来工法 | 金物工法 | |
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継ぎ手・仕口 | 伝統的な仕口 (蟻継、鎌継 等) |
梁成サイズにより 接合金具が決まる。 |
接合部の概観 | 補助金具が必要。 | 金具が材の中に隠れる。 |
施工性 | ある程度の熟練度が必要。 | プラモデル感覚での施工性。 ハンマー、レンチのみで施工可能。 |
性能表示等 | 高機能・性能にする為には、 多量の補強金物が必要。 |
構造計算済みの為、 高性能が保障され易い。 |
在来工法とは、日本で古くから発達してきた構法で、木造住宅の工法としては主流の工法です。土台、柱、梁といった軸組で支える工法で、構造木造軸組構法とも言われます。
継手、仕口、ほぞ、ほぞ穴などで木材と木材を接合します。柱を直接あらわす和室がある本格和風建築にも適しています。
以前は、各部材の、継手・仕口などの複雑な加工を大工さんが鋸やノミを使って加工し建てていましたが、高度な技術を要すること、また、工期短縮・騒音防止・ごみの削減を図るため、最近ではプレカット工場での機械による継手・仕口の加工が主流となっています。
コンピュータ管理された機械で加工することにより、精度・強度が向上します。
加工形状例
在来工法プレカットライン
- 横架材加工ライン1ライン
- 柱加工ライン1ライン
- 生産能力6,000坪/月(150棟/月)
当社では、2001年から金物工法のプレカット加工も行っております。
金物工法とは在来軸組工法における継手・仕口部分を梁受け金物やホゾパイプで接合する画期的、かつ合理的な工法です。金物を工場で予め取り付けての出荷にも対応しており、建築現場では材料の到着後すぐに建て方を始めることができます。
金物工法は在来軸組工法のさらなる強度向上、工期の短縮、人工の削減を図ることが可能となります。
下記に掲載している金物工法以外の金物にも随時対応を検討しておりますので、お気軽にご相談ください。
加工対応している金物工法
クレテック
(株)タツミが製造する、金物工法の草分け的存在の接合金物です。
世に金物工法を普及させる起爆剤となった金物で、今も多くのユーザーに愛用されています。
テックワンP2
クレテックの基本性能をそのままにコンパクト化を実現。
クレテックと同じ加工寸法を継承することによって、優れた互換性能を発揮します。
全体的に丸みのあるフォルムを採用し、作業効率の向上や、安全への配慮が図られています。
テックワンP3
クレテックの要素をそのまま引き継ぎ、さらに新たな機能をプラスした接合金具の進化形。コンパクトサイズ(出幅:100mm)でありながら耐力をアップさせ、安全性・梁への挿入し易さに配慮して角部に丸みをつけました。
Sマーク(性能認定制度:(財)日本住宅・木材技術センター)を取得。
HSZ
従来、木造軸組構法の性能を左右する最大のウィークポイントは、柱と梁の接合部です。フレームシステムのHSZ金物構法は、高精度・高強度を誇る「HSZ金物」と安定した品質のエンジニアリングウッド(集成材)を組み合わせ、構造の柱・梁・土台をバラつきなく確実に接合。バランスの良い接合部を保つ剛構造で、木造建築の耐震性や耐久性を格段にレベルアップすることができます。
HSS
従来のHS金物の特徴をベースに、大幅な小型化(奥行き従来比:約1/2)をはかることで、技術面とコスト面両方のメリットをさらに向上させたのが、この新開発の「HSS金物」です。また、小型化することで環境負荷の低減を図ることが出来るようになりました。
TS
トステムグループにて採用している金物工法です。
梁受け金物各種に、梁材への目印となる加工がされていて取り付け時のミスを軽減いたします。
全ての物件において構造計算を行い、それを元に構造図の作成が行われる為、バランスのとれた住宅の提供に繋がっています。
テナンビーム
ナイス株式会社により、N値計算・横架材チェック・壁量計算を行い別途、構造計算も致しております。
特徴としては、ドリフトピン13mm・ホゾパイプ27mmを採用していて他社の金物との大きな違いです。
梁受け金物については、凹凸があり梁材との取り合いに優れています。
床・壁・野地合板等、各種合板のプレカットに対応しています。
プレカット構造材・パネル材・羽柄プレカット材の生産ができる、全国に見ても数少ない工場の一つになっております。
供給している部材は、根太・間柱・窓台・マグサ・垂木・破風・筋違い等です。
コストダウンは当然、建築現場のごみの削減、電動工具による騒音の低減が可能です。
中間加工(胴縁加工)も承っております。
羽柄材プレカットライン
- 羽柄プレカットライン1ライン
- 生産能力4,000坪/月
2017年現在で外壁材市場の約80%が窯業系サイディングと言われています。急速に普及してきた一方、現場加工による騒音・粉塵や廃材処分の問題などが課題とされてきました。
当社では富国物産株式会社製「FB System Digital」を導入し、それらの課題を解決するサイディングプレカットにも取り組んでいます。
在来木造住宅のさらなる、性能向上を目指し、開発されたのが、在来木造住宅用パネルです。プレカット構造材が住宅の骨組みとなり、パネルは下地材となります。
現在、パネル化している部材は、床・壁・天井・屋根の4種類で、工期の短縮・気密性の向上・耐震性能の向上等のメリットを生み出します。また、床パネルは建築現場における大工職人の足場となり、工事を安全に進める上でも、重要かつ必要不可欠なものとなっております。
当社では、主に、壁用の在来パネルを生産しております。
通常、在来工法では、壁に筋違い(すじがい)を施行して壁倍率を確保するというやり方が一般的ですが、在来壁パネルの場合、壁用の合板に予め枠材や断熱材を取り付けることにより、建築現場の工機短縮はもとより、気密・断熱性能・耐震性等が向上し、より高性能な住宅を提供することができます。
写真の事例は、ほんの一例で、お客様のニーズに合わせて様々なパネルの生産が可能です。
在来工法パネル組立ライン
- 壁パネル組立ライン1ライン
- 生産能力1,200坪/月
日本の木造住宅の多くは柱や梁といった軸組で支える在来工法(木造軸組構法)で建築されていますが、近年は北米で生まれたツーバイフォー工法(木造枠組構法)で建築される住宅も増えてきています。ツーバイフォー工法は、耐力壁と剛床を強固に一体化した箱型構造となっており、フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支えているため、耐震性・耐火性・断熱性・気密性・防音性に優れていると言われています。
当社では、長年に渡って培ってきたプレカット加工技術と在来工法向けのパネル組立技術を活用し、平成24年よりツーバイフォー工法用のパネルの生産を行っております。CAD/CAMで部材のカットを行っているのでより高い精度のパネルの供給を実現しています。
水で発砲するアクアフォーム
水を使用して発泡させるアクアフォーム。
通常 ガスを使用して発泡・充填する断熱材ですが、アクアフォームはイソシアネートと水を含むポリオールを使用して硬質ウレタンフォームを発泡・充填する施工工法です。
現場での発砲施工により狭い部分の隙間を解消します。
アクアフォームは「現場での発泡施工の断熱工事」です。
基礎と土台の間から壁はもちろん、屋根の裏側まで家全体を断熱材で覆いますので隙間が発生しにくい施工方法です。
施工に時間もかからず、手間もかかりません。
グラスウールにない自己接着力と高い気密性!
アクアフォームは木材の経年変化にも対応しやすい性質をもっており
、硬質ウレタンフォームを隙間なく充填することにより住まいの大敵とされる壁体内結露を抑制します。
また、自己接着力を有する為 従来のグラスウールに見られるような断熱材が下がってしまう心配がありません。
当社は、建築現場のニーズに合わせて、構造金物、建材等の納品も実施しております。
納品させて頂いている資材は、羽子板ボトル・筋違ボックス・鋼製束・鋼製火打・防鼠材・床下換気工法材・断熱材・釘・ビス等です。
お客さまからは、“注文する手間が省ける”、“必要な数量だけ納品されるので余計な在庫を持たずに済む”等、管理運用面で好評を頂いております。
これからも我々は、在来軸組工法の総合的な住宅部材供給基地として、お客様が必要とされる商品をお届けしてまいります。
建材
- 石膏ボード、各種断熱材、各種合板、造作材など
- アルミサッシ、リビング建材(内装ドア、フローリング、窓枠、巾木、廻り縁)
- 設備器機(キッチン、システムバス、トイレ、洗面化粧台)
- 給湯器、ソーラーパネルなど
その他、随時様々なニーズに対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
建築金物